国内、海外と様々な場所へ旅をして見つけた共通点。それは、どこへ行っても「暮らし」があるということ。人それぞれ「暮らし」のスタイルは様々。国や地域が違えばその場所にあった暮らしがあり、また一軒家、アパート、バンなどその人のライフスタイルに見合った暮らし方がある。旅先で出会った素敵な暮らしをしている人たちを紹介していこう。
ゆうみさんはバルセロナのグラシア地区で4人暮らし。グラシアはバルセロナの西側、カタルーニャ地方に位置し、カタラン人が多く住む場所で、家族連れも多いエリア。インドネシアのバリ島での3年間の生活の後、バルセロナに移住し、フランス人の夫と結婚。コロナ禍の中で長男を出産し、今年5月には次男も誕生した。
「当初はバリ島で付き合っていた彼からの『ヨーロッパに戻りたい』という一言が転機でした。どうしたら安定した暮らしができるか話し合った結果、国際結婚を選択しました。フランスでの生活も試しましたが住みたいとは思えず、結婚祝いで家族からもらったバルセロナ行きのチケットで学生以来に訪れたこの街が気に入り、住もうと決めました。バルセロナの暖かさと、人の優しさ、また夫婦共に話せるスペイン語も大きな決め手でした。私たちが住んでいるグラシア地区は、ファミリーが多く住んでいて治安も中心街に比べて良いんです。私たち2人だけであれば他にも魅力的なエリアはありましたが、家族を増やそうという計画があったので“子供がいても安心して暮らせるエリア”というのが一番重要な判断材料だったと思います。中心から徒歩3、40分、地下鉄だと10分くらいですが、家の近くにはアジア系食材を売っているスーパーもあり、その他に生活に必要なお店、美味しいレストランも多いのでとても便利です」
「バルセロナの家はスタイルや間取り、陽当たりはさまざまで家探しには苦労しました。間取り次第では騒音が気になったり、陽当たりが良くないこともよくあります。この家にした大きな決め手は、中庭に面した大きな窓のあるリビングです。中庭に生えている大きな木が窓の外に見えるのも気持ちが良いし、日中は自然光だけで過ごせるのがとても好きです。アクセサリーを作る過程でもこの自然光が役立っています」
「ヨーロッパの家にはバスタブがなくシャワーだけのお家も多いのですが、のびのび全身浸かれるバスタブがあることも重要な要素です。3年前、コロナの最中に長男を出産しました。当日は助産師さんが間に合わず、テレビ電話で助産師さんと話しながら、お湯を溜めたバスタブで出産を経験しました。一生忘れられない経験ですね。海外に住むと日本のように計画通りに行かないことの方が多いですが、安心できる住環境を整えるのは日本に住んでいる以上に重要なポイントだと思います」
「今は夫が夏季休暇中で長男と一緒にフランスへ行っているので家は比較的綺麗な状態に保てているのですが、長男がいるとおもちゃで遊ぶので、どうしても次男の授乳や、その他の家事や仕事に追われてなかなか片付けが進まなかったりすることもあります。それも仕方のないことと割り切ってあまり自分を責めないようにするのが大切かなと思います。私は母親であると同時に妻であり、また1人の女性なので、おしゃれをしたり友人と出かける時間も必要なので、そういう時は夫に任せたり、家事に関しては家政婦さんを雇ったりします。日本と違って家政婦さんを雇うのが日常的な、ヨーロッパのライフスタイルに助けられていることもあるかと思います。長男を出産した時はちょうどコロナ真っ只中だったので、気軽に外に出ることもできずにママ友が思うように作れず苦労したこともありましたね」
次回は、ゆうみさんのお家でのおすすめアイテムや、癒しアイテム、海外での暮らしについてご紹介しよう。