厳しい暑さが続いた今年の夏。
ようやく朝晩は涼しくなってきたけれど、夏に蓄積した疲労やストレスが表面化する秋口は心身のバランスを崩しやすい時期でもある。
特に強烈な紫外線を浴びた素肌は、乾燥や吹き出物、シミやくすみなど、さまざまなトラブルを抱えがちに。

そんな不安定な状態の肌には、天然素材由来のオイルやクリームを使って、優しく丁寧にケアしてあげるのがおすすめ。そこで今回は、自宅で気軽にトライできる「マイ・アロマクリーム」の作り方をご紹介する。

必要な材料は、蜜蝋(ミツロウ)、キャリアオイル、エッセンシャルオイルの3つだけ。“自分で作る”メリットは、余計な添加物を入れないから安心・安全というのはもちろん、ちょっとした実験、自由研究のようなワクワク感が楽しめるのもポイント。しかしそれ以上に、好きな香り、安全な材料で作ることで、スキンケアの時間が楽しみになり、自分の心や体への関心が高まるのを実感できるはず。

全身に使える万能な蜜蝋クリーム

蜜蝋とは、ミツバチの巣から作られる天然ワックスのこと。主成分となる「ワックスエステル」は、実は人間の皮膚組織を構成する成分でもある。そのため、蜜蝋で作るクリームは肌なじみがよく、肌の保湿や傷口の治癒、皮膚を柔らかくする効果があると言われる。ベタつきがなく、塗布した後の肌もサラリと心地よいため、全身に使えるのも魅力だ。

(用意するもの)
・耐熱容器(ビーカー)
・クリーム用容器
・スプーン

【材料】
◉蜜蝋・・・5g
◉植物油(ココナッツオイル)・・・25ml
◉エッセンシャルオイル(ジャスミン、ゼラニウム、サンダルウッド)
・・・2〜3滴
【作り方】
1.蜜蝋と植物油(今回はココナッツオイルを使用)を計量し、耐熱容器に入れる。
2. 湯せんで加熱し、蜜蝋を溶かす。蜜蝋がしっかり溶けたら火を止め、蜜蝋とオイルをスプーンなどでしっかりかき混ぜる。
※レンジでも可。加熱は1分程度
3. エッセンシャルオイルを加えてかき混ぜ、消毒済みのクリーム用容器に移す。容器をテーブルなどにトントンと打ち付け空気を抜く。
4. 液体が冷えてクリーム状になれば完成

植物油、エッセンシャルオイル(精油)の選び方

好きな植物油、精油で作れると言っても、「何を選べばいいかわからない…」という人も多いかもしれない。今回は、ココナッツオイルを使ったが、キャリアオイルとして使える植物油は、ホホバオイル、オリーブオイル、アルガンオイル、アーモンドオイルなど手に入りやすいものでおよそ10種類。ココナッツオイルは保湿力に優れ、ほのかにココナッツの香りも楽しめるのでおすすめだが、まずは気になったオイルを試してみて、香りや使い心地を体感してみよう。キャリアオイルにもそれぞれ保湿、抗酸化、アンチエイジングなど特徴があるため、使い分けられるようになるとより症状や不調にフィットしたケアが実践できるように。
精油にもそれぞれ香り、効能があることはご存知の通り。今回は、紫外線を浴びた肌に潤いを与え、ダメージ回復を促す効果のあるジャスミン、ゼラニウム、サンダルウッドの精油を使用した。

【エッセンシャルオイル(精油)の肌への効能】
ジャスミン・・・保湿作用、抗炎症作用、皮膚軟化作用を持つ
ゼラニウム・・・抗炎症作用に優れ、肌トラブルの改善に役立つ
サンダルウッド・・・乾燥の保湿に適し、炎症や肌荒れを鎮静させる効果も

使用する精油は1種類でももちろんOK。何を選べばいいかわからない時は、まずは香りが好き、コレが気になるといった「感覚」を基準にしてみよう。感覚を頼りにすることで、自分自身の「今」の体調やメンタルの状態にも気づきやすくなり、より精油の効果を感じやすくなっていくはず。

アロマを暮らしに取り入れる最大の魅力は、こうした感覚や体感を自覚することで、自分の心と体に意識が向き、自分自身を大切にできるようになること。

体調や気分に振り回されずセルフケアができることは、生活の質を高め、ウェルネスな人生を実現することにもつながる。まずは手軽に作れる蜜蝋クリームから、毎日の暮らしにアロマを取り入れてみてはいかがだろう。


監修:植松真樹(doterraアロマオイルサロン主宰。MAA認定メディカルアロマ取得、アロマタッチ認定セラピスト) @uematsumaki55

※精油や植物オイルは、さまざまなメーカーから販売されており、価格もまちまち。選ぶ時は品質を重視し、天然成分100%のものを購入したい。安価なものは合成香料、アルコールなどの添加物が入っている可能性もあるため、信頼できる商品かどうか、購入前に確認しておくと安心。