“旅するように暮らす” をもっと身近に、もっと当たり前に。オンとオフを上手にスイッチしながら、好きな場所で、好きなときに、好きな人とともに毎日がホリデーのような生活を__。誰もが憧れる、ドリーミーでユニークでフリーダムなコンセプトを掲げて邁進するライフスタイル・ブランド『The Holiday』。ブランドビジネスプロデューサーである下山謙氏(株式会社バンブック・代表取締役)に、このブランドに込められた想い、届けたいもの、The Holidayが描く夢と未来についてお話を伺いました。2週にわけてお送りするインタビュー、今回は前編です。“旅するように暮らす” 人生を切り拓くヒントがここに。
株式会社バンブックCEOであり、The Holidayのビジネスプロデューサー。そしてサーファーでもある下山さん。じつは大学生のときはバックパッカーだったそう。

「大学在学中、2年間くらいバックパッカーであちこちを放浪しながら世界を旅したんです。アジア圏をほぼ回ってからヨーロッパ圏を一周、その次に南米に渡って、アメリカ本土は少し。それからカナダへ行き、島々を巡り、ほぼ世界中を旅して帰ってきました。若かったので、都市やメジャーな観光地よりもチベットやインド、ヒマラヤ山脈を越えるとか、秘境を往くのが好きでしたね」
「いちばん良かったのはキューバですね。人々がめちゃめちゃ陽気なんですよ。ラム酒を飲んで、葉巻を吸って、町中でみんなが踊っている、とても素敵な国。人々が生きていることを楽しんでいるのがとても印象的でした」

そうした旅の中で、たくさんの人が集まり、出会いやつながりが生まれ、カルチャーが育まれるホテル、カフェ、レストラン、ショップなどの「場」と「コミュニティ」に興味を持つように。

「それで、”人が集まる場=空間を作りたい”と、日本に帰ってきてから内装デザイン会社に従事し、カフェやショップなどの空間作りに携わり、次は新規事業の立ち上げを行うコンサルティング業に転職。26歳で独立起業して、その会社はしばらくしてから売却し、10年前から現職(株式会社バンブック)です。バンブックという会社では”コミュニケーションメーカーズカンパニー”というヴィジョンを掲げて、クラアントとお客様をつなぐプロモーションやイベント、また公共・商業施設やホテル、街づくりといった、コミュニティを活かしたり、コミュニティを作ったりする事業を手がけています」。
全国各地での事業に取り組む中、下山さんが注目するようになったのは、日本列島の「自然」と「地方」の豊かさでした。

「日本は面積でいうと世界61位の小さな国ですが、海岸の沿線の長さはじつに約3万5,000キロもあって、それは全世界で第6位なんですよ。さらに言えば、日本は国土の約7割が森林です。コロナの前からなんとなくですが、いつか必ず都市集中から地方分散が起こり、海や山を豊かに身近に感じられるライフスタイルが求められる時代が来ると思っていた。その自然資源をそのまま生かした暮らしや街づくりができないかと思って構想していたのが『The Holiday』でした」

その後、サーファーズハウス、サーフヴィレッジ構想を日本に広めた第一人者である一級建築士の岩切剣一郎氏(株式会社ケンロックCEO/The Holidayクリエイティブ・ディレクター)との出会いをきっかけに、その構想はより具体的なイメージを持って動き出します。

「コロナも僕らにとっては追い風でした。リモートワークが普及し、都心を離れる移住ニーズも激増した。そして多くの人が”本当の豊かさって何だろう?”と見つめ直したことで、価値観が大きく変容しましたよね。新しい働き方、時間の使い方、コミュニケーション…この2年でいろんなことが変わったけれど、自然の中で、自分自身や大切な人との時間を人生の中心に置いて生きていこうという人がすごく増えたように思います。つまり、旅するように暮らすライフスタイルが、誰もにとってぐっと現実味を帯びるフェーズに突入したのです」。
そして2021年7月、ついに『The Holiday』はローンチ。東京にはフラッグシップストア、千葉・宮崎にはビーチクラブハウスをオープンし、The Holidayの世界観を体感できる3つの拠点も生まれました。さらに現在は「旅するように暮らす」を実現するためのセカンドハウススタイルの家「Holiday(LIVIN’)」の問い合わせも急増しているそう。

「Holiday(LIVIN’)は、二拠点生活や移住ニーズに特化した家。つまり、本当に旅するように暮らすための家です。基本は平家で、プロポーションと間取りは徹底してシンプルかつコンパクト。とは言え、オープンガレージにサーフボードルーム、アウトドアシャワー、カバードポーチといった趣味と自然を愛するためのデザインはしっかり標準装備されています。たとえば海を愛する人が、東京に拠点を持ちながら、湘南にもうひとつホテルライクなセカンドハウスを持つ。もちろんそこに住んでもいいし、いないときはヴァケーションレンタルとして貸してもいい。そう、この家のいちばんの特徴は、”所有するだけでなく、シェアするモデル”であることなのです」。

将来的にThe Holidayは、Holiday(LIVIN’)のオーナーたちに、家をヴァケーションレンタルとしてシェアするためのサービスを開始する予定で、予約管理やゲストの対応、宿泊前後のクリーンナップ、長期不在時の荷物の預かりなどを代行するなど、住宅やまちづくりデザイン・設計だけでなくその後の運営、集客までワンストップでサービス化し、オーナーとユーザーが「旅するように暮らす」という共通の価値観でつながり合えるDX化も進めているとのこと。。…この続きはインタビュー後編にて。7月29日(金)公開予定です。



下山謙
株式会社バンブック・代表取締役
The Holidayビジネスプロデューサー

1981年生まれ。大学生のときにバックパッカーとなり、2年間、世界を旅する。内装インテリア会社、コンサルティング業、独立起業を経て、2011年より株式会社バンブックに参画。2021年7月にライフスタイルブランド『The Holiday』をローンチ、総合プロデューサーとして「旅するように暮らす」ライフスタイルを場所、物、家などあらゆるアプローチで提案している。コロナが世界的な流行になる前までは年に2回は必ず海外旅行に行くことを続ける旅人でもある。