「ネクスト・パタゴニア」が日本に本格上陸

アウトドアを愛するからには、人にも環境にも優しくありたい。SDGsが世界中で話題になっている今、「ネクスト・パタゴニア」とも噂されるサステナブルなアウトドアブランドが注目を集めている。2021年3月に待望の日本上陸を果たした「cotopaxi(コトパクシ)」だ。
バッグやウェアを中心に幅広いアイテムを取り扱っており、機能性も抜群。登山やキャンプなどのアクティビティからタウンユースまで、さまざまな用途に対応してくれる。持っているだけで気分が上がるような遊び心溢れるカラーリングも特徴的だ。しかし、本国アメリカで多くの若者を惹きつけている理由は、アイテムとしての魅力だけに留まらない。

コトパクシのコンセプトは“Gear for Good”。質の高いアウトドアギアを通して「貧困に苦しむ人々を救う」ことをミッションとしている。コトパクシの考える“Do Good”を軸に、自社の成長とともに社会に貢献し続けることを目指すブランドだ。環境や社会に配慮した事業活動を行っており、説明責任や透明性に関する厳しい基準を満たした企業にのみ与えられる民間認証「B Corporation(ビーコーポレーション)」の認定企業でもある。
BATAAN FANNY PACK(Del Día)¥4,500(税抜) CUSCO 26L BACKPACK(Del Día)¥14,000(税抜)
ALLPA 35L TRAVEL PACK(Del Día)¥25,000(税抜) Del Díaシリーズ

アウトドアブランドで貧困問題の解決に挑む

コトパクシが貧困問題の解決に取り組む理由は、ブランドの成り立ちにまで遡る。
コトパクシは2013年にアメリカ・ユタ州のソルトレイクシティで誕生した。耳慣れないブランド名はエクアドルにある成層火山「コトパクシ山」に由来する。
創業者のデイビス・スミスはアメリカで生まれ、4歳のときに中南米の最貧国のひとつであるドミニカ共和国に移住。そこで自分と同じくらいの年齢の子どもが裸足で物乞いをしている姿を目の当たりにし、強烈な印象を受けたという。その後もブラジルやエクアドルなど南米を転々と移り住み、キャンプや離島生活などのアウトドアに情熱を注いだデイビスは、やがて「世界によりよい変化をもたらしたい」と考えるようになった。そこで貧困問題の解決の手段として挑んだのが、アウトドアブランド「コトパクシ」の創業である。自らの得意とするアウトドア分野と、幼いころから胸に抱いていた貧困問題の解決を融合させ、新たなビジネスモデルを作り上げたのだ。

ユーザーの共感を生むストーリーとオリジナリティ

コトパクシは具体的にどんな“Do Good”を行っているのか、ひとつずつ紐解いていこう。

雇用の創出とフェアトレード
コトパクシはフィリピンとインドに生産拠点を持ち、発展途上国で雇用を生み出している。ロゴウェアやT シャツはすべてフェアトレード認定工場で製造。労働の正当な対価が生産者に支払われ、品物の代金とは別に支払われるプレミアム(奨励金)がダイレクトに生産者に還元される「フェアトレード認定™プログラム」にも参加している。ユーザーは商品を購入することで、現地の労働者の自立促進や貧困格差の解消に向けた一端を担うことができるのだ。

環境に配慮したリサイクル素材の使用
バッグの代表的なコレクション「Del Día(デルディア)」、アパレルの「Teca(テカ)」には(Re)Purpose™(リパーパス)素材が用いられている。Repurposeは「再度目的を持たせる」「別の目的のために再利用する」という意味。他社が製品を大量生産する工程で出た残布や残反は、本来であれば捨てられてしまうもの。それらを仕入れて再利用することで、高品質な残材に再度目的を持たせている。

職人による唯一無二のカラーリング
「Del Día(デルディア)」コレクションは、フィリピンの工場で働く職人一人ひとりが自らの感覚に基づいて配色を決めながら縫製する。そのためすべての商品が唯一無二のカラーパターンになる。店頭で気に入った色に出会っても、明日にはその色はなくなっているかもしれない。自分だけのオリジナルバッグとして、一期一会の出会いを楽しめるブランドだ。
今回、「The Holiday」にてコトパクシのポップアップストアが期間限定オープン。定番のバックパックからショルダーバッグ、パソコンケースやマスクなどの小物まで、幅広いラインナップが揃う貴重な機会だ。実際に手に取って、その色合いや軽さ、品質の高さを確かめてみてほしい。

日本上陸からまもなくして、SNSや口コミで反響が広がった。ブランドの持つ思いや取り組みに共感して購入するユーザーが多いという。
大量生産、大量廃棄の時代は終わりが近づいているのかもしれない。私たちは、商品を選ぶことで社会に対してアクションを起こすことができる。アウトドアを楽しむ人も、そうでない人も。身近なところから“Do Good”を。
開催期間:2021年5月7日(金)~5月23日(日)