The Holiday Storeでも販売している「セルジャック(Seljak)」。前回はブランドの思いをお話ししたが、今回はその上質なブランケットの秘密に迫っていこう。
セルジャックがブランドとして一番最初に作り上げたのが、「リサイクルウールブランケット」。

上質な生地の切れ端を使って作られているということは前回の記事でもお伝えしたが、現在セルジャックのブランケットは、主に原料となる切れ端が出た工場でそのまま製造している。運搬しないことで、CO2削減にも役立つからだ。

そしてThe Holiday Storeで販売している「リサイクルウールブランケット」は、「グロウ(GLOW)」と「パサージュ(Passage)」の2種類だ。

グロウはメルボルンの郊外にある織物工場で作られたウール糸を使用。ウールは非常に優れた天然素材で、人工的に似せることは困難とされているラグジュアリーな素材だ。匂いやシミに強く、抗菌性があり、軽く通気性にも優れていて、断熱性も高い……といった、人の手では生み出すことができない特徴をいくつも兼ね備えているのだ。

そしてこの工場では通常、椅子に貼るための生地を織っており、倉庫に眠っている余分な糸を併せて使うことで、防虫効果も期待できるそう。ピクニックやキャンプなどアウトドアでの使用にもピッタリだ。

さらにこの70年代を彷彿とさせるレトロなデザインも、夜のキャンプファイヤーを意識して作られているのだとか。

もう一種、パサージュはイタリアの工場で紡がれた、上質なウールの衣服の糸を利用し、リトアニアの工場で織られている。元々衣類だった毛を使用しているため、しっかりとしていて熱を逃さなそうなグロウの質感に対し、こちらはやや柔らかく、心地の良い肌触りだ。ベッドに敷いたり、ソファでくつろぐ際に使ったりと、室内での使用におすすめ。波や海を連想させるパサージュのデザインは、海面上昇という環境問題も暗示しているのだそう。

そして万が一セルジャックのブランケットを使わない日が来たとしたら、前述したとおり連絡をすれば無料で回収をしてくれる。カーボンニュートラルな輸送で工場へ戻り、糸を解いて巻き直し、次の新しいブランケットとして生まれ変わるのだ。

創業の2016年から約2,825kgもの廃材を使用し、ずっと使える良質な製品を生み出しているセルジャック。次なる目標を聞くと、こう話してくれた。

「これまで私たちは、繊維製品をどのような機械を使ってリサイクルするかに焦点を当て、ウールの端切れや古くなった毛織物などを細断し、新しい糸に紡いできました。これからは素材そのものに着目をしています。現在、私たちはリサイクルミックスを100%天然糸にし、コンポスト化できるようにすることに注力しているんです。そしてウール100%のブランケットを何枚かコンポスト化し、その土壌を検査したところ、野菜を栽培するのに安全であることが確認できました!」

衣服の製造は環境汚染の大きな原因と言われているが、セルジャックのようなブランドが広まっていくことにより解決できる問題も少なくはないはず。私たちも、安くてすぐ捨てるものを買うのではなく、購入する商品を選ぶことで、その一端を担えるだろう。

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