自然と共に生きる。それは、都会での暮らしが日常であったり、忙しない日々に追われていると、忘れがちなこと。
本来、人間も動物の一種なのだから、太陽の光のエネルギーに頼り生きていく方が、心地よく感じられるはず。
そんな当たり前を気づかせてくれたのが、“波乗り絵描人”として活躍するアーティストKei Otsukaさん。
海を愛し、海に感謝し、海を中心に生活する彼からは、凛とした人間らしさが感じられた。 都会と海沿いの二拠点生活を経て、Keiさんがビーチタウンへ移り住んだわけとは。そのきっかけや魅力を聞いてみた。

自然のエネルギーが目に見える暮らし

今年の3月に都会と海沿いの二拠点生活から、千葉・一宮に移住を決めたKeiさん。
踏み切ることができたのは、子供たちの成長を経たライフスタイルの変化だった。
「長男と長女が社会人になり独り立ちをし、一番下の次女は私と同じように海を愛し、サーフィンが好きなので、一緒にビーチライフを謳歌しようと決心することができました。
二拠点生活を経験したからこそ、ビーチライフの素晴らしさが身に染みて分かり、すぐにシフトできたんだと思います」
そう語るKeiさんの海沿いのライフスタイルの魅力は、時間を体で感じられることだそう。 「時間を時計で見るのではなくて、体で感じることって忘れがちですよね。
たとえば、情報番組が始まる＝朝、ではなく太陽が昇り明るくなる＝朝。仕事終わった＝夜、ではなく日が沈む＝夜ということ。
これは、人間として自然のサイクルだし、今までは人が決めたサイクルで生きていたんだと再確認しました。
今は自然のエネルギーに寄り添って生活することが心地よく、活力も湧いてくるのを感じています」

海をシェアするからこそ繋がる人と人

朝、波チェックをするところから一日が始まり、夕方波チェックすることで一日を終えるKeiさん。
そんなビーチに通うからこそ生まれたコミュニティは、彼の支えにもなっている。
「毎日、波のコンディションが違うからこそ、その日に出合う波の一本一本に感謝しながら過ごしているんです。
そんな気持ちはサーファー共通。海へ通うようになると、そこで出会った人たちは、職業や年齢もバラバラなのに、自然と仲が深まっていくもの。
波を待つ時間や、自然を共有するからこそ、心が柔軟になり、分け隔てなく接することができるのだと感じています」
また、アーティストの活動に興味を持って、広めてくれたのもサーファーだと言う。
「彼らのおかげで、アートを通じて伝えるということが叶うようになっていきました。
そして、海沿いでしか作品を展示してなかったのが、今では海以外の場所で展示したり、制作を任せてもらったりしています。
人は人との繋がりで広がっていくということを、海を通して学ぶことができました」

アートが持つパワーを信じて描き続けた11年

絵を描き始めたきっかけは、東日本大震災と語るKeiさん。
抗えない自然の脅威を前に、“笑顔”が周りからなくなってしまったことに気づき、自分にできることを探し辿り着いたのがアートだった。
「少しでも心の拠り所になればと描き続けて、今年で11年目。最初は笑顔を増やしたいとスタートしたところから、今は人の夢や目標の支えにもなりたいと思っています」
そう語る彼のもとには、個人からのオーダーが後を絶たない。
「“目標や夢を絵にしてください”という依頼が多いんです。そして叶ったら、その絵を持ってきてくれる。
遠く離れていても、その人の夢を叶える道筋に一緒にいられることが嬉しくてたまらないし、それが励みになっています」

暮らしの中にアートがある素晴らしさ

家の中にアートがある幸せをもっと身近に感じて欲しいと、今年Keiさんが始めたのは、アートのサブスク“自由に旅するアート”。
しかも、アート本来の質感を楽しんで貰うため“原画”を貸し出すという。
「部屋にアートがあることでモチベーションがアップしたり、リラックスする時間を大切にするようになります。
そして、海や自然になかなか触れられない人にこそ、取り入れてほしいです。
部屋の中にいながら、アートを通して海や自然にトリップできる。そんなパワーを込めながら描いています。疲れたときにふと目にしてくれるのが僕のアートだったら幸せです」
Keiさんのアートは、千葉・一宮にカフェ、サーフボードラック、コワーキングスペースを備える「PARASOL CLUBHOUSE」で展示販売中。（※展示販売は終了しました）ぜひ海上がりに足を運んでみて。

Let’s live by the seaside

海沿いの暮らしの素晴らしさを知ることで、より自分自身のライフスタイルへ叶えたいものが見えてくる。
「旅するように暮らす」をもっと身近に、もっと当たり前に。The Holiday LIVIN’は、そんな願いを叶えてくれる。
場所や時間から解き放たれ、自然と共に、“好きな場所で、好きな人と、好きなことを軸に生きていく”ための、移住、二拠点生活に特化したミニマムでホテルライクな住まいをデザイン。
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【PROFILE】

Kei Otsuka

1977年生まれ、北海道出身。高校卒業後、22歳まで南米アルゼンチンでサッカー選手として活躍。日本でサーフィンに出合い、2013年よりKei Otsuka Surf Art Canvasにて波乗り絵描人として生きる。オーストラリア・バイロンベイで開催される「Byron Bay Surf Festival」に 2014年、2017年ゲストアーティストとして参加。2016年、一宮町クリエイティブアンバサダーに就任。2017年からアートプロジェクトとして一宮で誕生した「enjoy_.」projectオーガナイザーを務める。
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